第1247話「悪霊退散」

午後六時の映画館。

幽霊が現れた。

幽霊は本当に見たい映画(幽霊が想定する劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライトを指す言葉。推しは大場なな)よりもずっと売り出し中の若手俳優を主演に置いた下らない恋愛映画を見る機会が多かったのだが、いつか本当に見たい映画が流れてくれることだけを願って気合で地上に留まっていた。しかし幽霊の移動範囲にある映画館ではいつまで経っても劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライトを流してくれず、そして遂に上映期間が終わってしまった。幽霊は悪霊と成り、映画の上映中にしょっちゅう自分の影を映り込ませたり映画鑑賞中の人間たちのスマートフォンの電源を入れて電話を掛けるようになった。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で映画館をレンタルして劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライトを流してあげた。

悪霊は成仏した。

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