第1207話「好き放題の限度」
午後六時の女子寮。
自分の過去を思い出した女子高生が現れた。
女子高生は過去(女子高生が想定する聖職者であった頃の己を指す言葉。十四の齢であっても両親ともに実家が宗教活動の団体に属しており、自身もその後継ぎとして育てられていた)よりもずっと現在の衝動に重きを置く生命体なので、たとえ過去を思い出しその宗教で肉食が禁じられているとしても血肉を食う気持ちは抑えられない。女子高生らしさの象徴たる血と闘争で幼少から守ってきた戒律を破ることになろうとも、女子高生である以上罪に問われることはない。特権的生命体、女子高生、自覚的となったが故に破戒無慚。女子高生は過去を思い出しながら、過去を完全に失ってしまった。
だがいきなり長いレールガンを持った女子高生AIがやってきて、とにかくすごい攻撃で過去を思い出した女子高生を消去した。
立場に自覚的となってしまった女子高生はとりあえず消しておくようシステムが構築されているのである。
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