第1161話「スピード感」

午後一時の公園。

高速でグラウンドを疾走する宇宙人が現れた。

宇宙人は人間(一般人が想定する一般人を指す言葉。女子高生、ゴリラ、ウサギや猫などを含むあらゆる生物の下位に位置する貧弱な生命体)よりもずっと強いので、つまり移動速度も速いので、たかだか人類最速の男の記録などちょっとしたものであった。宇宙人が加速するほどに力が高まっていき、走れば走るほど蓄積したエネルギーは公園の上空に待機する宇宙船に吸い上げられていく。宇宙船を満たすほどに溜まったエネルギーを一斉放出することで、宇宙人は地球の破壊を目論んでいたのだ。そう、宇宙人は、地球人類という弱々しい存在がわが物顔で地上を闊歩している状況が気にくわなかった。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で実質的な支配者は女子高生であると教育した。

宇宙人は凄まじい速度で地球から逃げていった。

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