第1082話「ノーマルエンド」

午後十時の雨降る路地裏。

男子小学生が現れた。

男子は母(一般人が想定する女親を指す言葉。お母さん、かあさん、かあちゃん、お袋など多数の呼び名が存在する)よりもずっと酷いことをする人間はいないと思っている。家庭内で行われる暴力に男子小学生は我慢できなくなり、傘も持たずに家を飛び出した。外は土砂降りの雨、服や髪はすっかり濡れてしまっているが、だからといって戻る場所もない。母のいる家には戻りたくない。行く当てもなく、一人で道を歩く。雨宿りをする気も湧かない。ただ、怒りとか、無力感とか、男子小学生はそういった感情に苛まれていた。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい優しさで傘を差しだした。

なんでお前傘の中棒の部分を握っているのだと馬鹿にされたので、ちょっぴりムッとして男子小学生の母を殺害した。

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