第860話「ちびっ子は強い」

午前九時の居間。

テレビの前でヒーローを応援するちびっ子が現れた。

ちびっ子はヒロイン(一般人が想定する主人公の恋人あるいは相棒となる女性を指す言葉。本来は女主人公という意味合いで用いられる)よりもずっとヒーローに憧れていたが、レールガン女子高生は自身をヒロインだと公言していたためヒロインは素晴らしいものなのだとちびっ子に説いた。ちびっ子がヒロインに憧れてくれれば女子高生が増えるかもしれない、単純に憧れてほしいという感情に基づいた行動ではなくそういう意図を込めた布石である。

だがテレビに集中していたちびっ子がいきなり繰り出したアッパーカットが顎に決まり、とにかくすごい勢いで転倒してパンツを披露してしまった。

捨て台詞を吐いてレールガン女子高生は去っていった。

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