第856話「運命は変えられる」

午前七時の川。

源流近くまで戻ろうとする魚が現れた。

魚は故郷(一般人が想定する生まれた土地を指す言葉。あるいは魯迅の小説を指す場合もある)よりもずっと長い期間を過ごした海を好んでいたが、運命としか呼びようのない大いなる何かに突き動かされるようにして川を上っていた。しかし川の途中には新たにダムが作られており、故郷にたどり着けない状況なのは誰が見ても、魚でも一目瞭然であった。理性では帰りたい、海を新たな故郷としたい、けれど運命が魚を上流へと向かわせる。無謀なアタックを繰り返して力尽きるしかないのだろうか、と魚は自らの運命を呪う。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で運命を破壊した。

海で産卵した。

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