第824話「夜行、真実を語る」

午前零時の車内。

夜行バスを使って移動中のオタクが現れた。

オタクは新幹線(一般人が想定する移動手段の一つを指す言葉。年齢を重ねることで利用機会が増加する)よりもずっと格安に済む夜行バスを好んで使っていたが、体力的にも精神的にもだんだんと厳しくなっていることを感じていた。翌日に疲労が残るのは、何かしらのイベントを目的として移動するオタクにとっては致命的だった。齢三十を超えた途端に露骨すぎるほど身体にガタが出るようになると予告されてはいたが、改めて実感すると恐ろしいものである。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい解説で女子高生は時間経過による肉体の劣化がないとオタクに伝えた。

女子高生になりてえなあと思うようになった。

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