第766話「私が貴方を救うまで(13)」

午前七時の屋上。

アンチマテリアルライフルを携えた女が現れた。

女はコーヒー(一般人が想定するコーヒー豆を焙煎し挽いた粉末から成分を抽出した飲料を指す言葉。黒くて苦い)よりも家族よりも自分よりもずっと大切な幼馴染がいる。彼女はきっと誰よりも正しく、優秀で、どこにでも適応して、誰にでも好かれる人物となるのだろう。だからこの牢獄でもあの幼馴染は、ガトリングガン女子高生は、目の前の景色に順応して正しく生きていくはずだ。それは私が許さない。私を救おうとした手を握り返して、私が貴方をここから連れ出そう。

遠くの教室ではいきなりガトリングガンを持った女子高生がやってきて、喧嘩を仲裁しつつそれぞれと仲良くなっている。

私はその様子を眺めている。私が貴方を救うまで、この誓いは決して失わない。

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