第315話「炎上遊園楽土 上野」

午前五時の鏡。

過剰労働に疲れ果て、やつれた顔のゴリラが現れた。

ゴリハルトはパンダ(一般人が想定する上野に生息する白黒の獣を指す言葉。可愛い顔をしているが平気で人を殺す)よりもずっと客寄せ効果が高かったが、撫でるだけで吹き飛びそうな人間の子供を相手にするのはとてもストレスがかかり、ジャングルの王者といえども精根尽き果て倒れそうになっていた。トムソンは良い人間だ、彼に紹介してもらった女性も良い人間である、だが派遣先の社員は決して良い人間とは呼べない性質をしていた。ゴリハルトが金になると知れば、少しの休みも与えず仕事を割り振る。ゴリラの体力にも限度がある。疲労を重ねたゴリハルトの姿に王者の風格はなく、まるでブラック企業勤めの人間のようだった。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃でライバル企業に就職したゴリハルト・オルタを呼んだ。

ゴリオルタは遊園地を炎上させた。

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