午前九時の庭。

二羽のアヤム・セマニが現れた。

レールガン女子高生はアヤム・セマニ（一般人が想定する黒い鶏を指す言葉。外見だけかと思いきや、肉、骨、内蔵までも黒いまさに完全なる闇と呼ぶべき存在）よりもずっと自分の方が強い力を持っていると考えていたが、万物に干渉するレールガンの一撃がアヤム・セマニの身体に吸収され消滅したとき、脳に敗北の二文字が過ぎった。本来ならば絶対の勝利を約束するはずのそれが吸収されるという異常事態。黒い鶏に負ける未来が見えたような気がして、レールガン女子高生の背筋が凍る。

だがいきなり新たな長いレールガンを持ったはかせがやってきて、とにかくすごい攻撃を持ってきた新しいレールガンから撃ち放つよう指示した。

闇を払うのは神ではなく人による文明の灯なのだと主張した。