第158話「だとしても家族」

午前十一時の温泉旅館。

チェックアウト時間になっても用意ができない宿泊客が現れた。

女将は宿泊客(三人家族の客を指す言葉。味噌汁にトラウマがある)よりもずっと温泉を愛しており、同時に温泉と旅館に迷惑をかける客を嫌っていた。なのでやんわりとそういった気持ちを伝えるべく宿泊客の部屋に向かったところ、両親の不仲と子供の置かれた状況を意図せず知ることとなり、涙し、少し遅れるくらいいいじゃないかという気分になった。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で何かしようと思ったが、しなくても大丈夫そうなのでしなかった。

宿泊客は十三時にチェックアウトした。

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