午後四時の遊園地。

ジェットコースターに乗り込むゴリラが現れた。

子供はゴリハルト（一般人が想定するゴリラ一倍力が強く、優しい心を持ったゴリラを指す言葉。とある女性のつてによって各方面への派遣業務に励んでいる）よりもずっと着ぐるみのキャラクターが好きだったが、それでも興味を引くことに違いはなく、さらには大人たちにいたっては着ぐるみよりゴリラの方に関心があるらしく、列に並び、きっちり座ってジェットコースターを楽しむゴリハルトの姿に多くの人が集まっていた。ゴリハルトの効果は大きく、彼が就職してからジェットコースターの売上は以前の三倍程度まで伸びていた。ただしその売上はジェットコースターに乗り続けてゴリゴリに削られるゴリハルトの体力と等価交換であった。

そこにいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で遊園地の営業時間を終了した。

ゴリラに久々の休日が訪れた。