第93話「ほぼ実話」

午後七時のゲームセンター。

ゲーム筐体の前でガチャを引くスタッフが現れた。

スタッフは友人(スタッフと親交のあるガチャ廃人を指す言葉。平気で「キャラが欲しいっていうかガチャを回したい」とか言う)よりもずっと自重を知っていたが、目の前で回転するガチャに我慢がきかず、一万円を投下した。しかし結果は見事に爆死で諦めの笑みを浮かべるスタッフの側、三枚目の諭吉を楽しげに投入した友人の手元から虹色の光が輝く様子が見えた。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃でスタッフの課金額請求先を友人にした。

他人の金で回すガチャは気持ち良かった。

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