【73】迫る終わり(1)
「え……」
走りながら
やっとの思いで
「どういうこと?」
年上としてか、日頃から鍛えている身としてか、
ただ、それは
「
「正解」
と苦笑いする。一方の
「急ごう!」
外見は
──恐らく、
まだ
このまま急いで向かえば、
ふたりが
一瞬の安堵。また、すぐに走り始める。乗り遅れたら意味がない。
人混みで賑わう夕刻前。
「さすが長身の持ち主。人混みにまったく埋もれないね」
「ありがとう。助かったよ」
「まぁ、図体がデカいのだけが取り柄みたいなもんだから」
笑顔で礼を言う
無事に船に乗ったふたりは、個室で休憩を取ることにした。あたたかい紅茶を頼み、カップから湯気がゆらりと揺れている。
──夜になる前には到着できる。
「
「二週間くらい前に、倒れて……」
その姿は
「今は昏睡状態で衰弱している。兄上から
「昏睡で衰弱……」
復唱し、
──間違いない。
「
状況を聞き、父、
ただ、ここまで明確になってしまっては、見出した結論を受け止めるべきだ。重く辛い物事ほど、すんなりとはいかない。だからこそ、すぐにでなくていい。時間が必要だ。
時間が必要なことを、
「辛い状況を教えてくれてありがとう。僕は全力で
船は着々と進み、城下町に近づく。ふたりは出口の近くへと移動する。冷たい空気を
煌びやかな輝きと雑踏を城下町に想像しながらも、
──まもなく、終わる。
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