【71】真偽
キラキラとちいさな光が輝く空間を、
どうして母だけが人の姿を取り戻したのか。──漠然と頭を支配する疑問。
煌めきが完全になくなり、
──ああ、そうか。
──母さんが人の姿に戻ったのは。
『
結果、
「ごめんなさい。私、戻らなくては。皆を……今更、裏切れないわ」──
母の行方がわからなくなる前、母は
だが、あのときの母はどんな気持ちだったのか。
「許さんぞ、
封印されようとしていた
そうとなれば、
白緑色の長い髪の毛が、うつむく顔を隠している。到底、瞳の色は見えないが、アクアの色彩を持っていることだろう。
──『
一度、中断していた道しるべを
──
──『そう思わせたかった』?
ずっとわからなかった
巻き戻せば巻き戻すほど、不可解なことが起こる。
「お前は終わりだ」──違う。思い返せば、あれが
「妹は連れていけ。来られては困るのでな」──違う。あれは
──重なった。
今度は偽が真と重なり、真が浮き立っていき、そこで固定する。
直面したのは、
──これは、
母が
母は自責に耐えられなくなり、記憶が不確定になっていく。
封印から目覚めたとき、恐らく自我がハッキリとしていたのは、
やがて、
父、
父は、封印した塚が見える窓を気に入っていた。──
つまりは、噂が噂ではなく。
──父さんを衰弱死させたのは、母さんだった。
「お祝いに、そろそろ
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