05:『水唱都市』

05-00-01:ここまでのあらすじ

『迷宮都市』


 ソンレイルを出てはやふた月、漸く目にしたのは街……ではない。

 魔物に襲われお漏らしして震える美少女であった。しかもヴォーパルの担い手等と言うではないか。


 一体どういうことなのか。きけば眠りについた剣を起こすには、持ち主の問題を解決しなきゃいけないなんて。その問題とは美少女メディエが死んだ兄ハーブだと言い張っていることだ。


 一体どうすりゃいいんだ! でも解決しないと前に進まないので『はい』か『イエス』の問答である。


 シオンとステラは真ん丸魔法陣の迷宮都市ウェルスで手がかりの調査を始めた。


 猫を追ったり新人に絡まれたり聖母扱いされたり、化物を倒したりと日々を過ごすなか、ついに収穫祭ハーヴェスタをXデーとして決起することを誓う。


 だが思惑とは異なり情報はダダ漏れ、黒幕たる叔父の邪魔が入る。テメェこの野郎なにしやがるッ、シオンとステラの得物が唸って閃く。


 そして置いてけぼりのメディエの前には、なーんと死んだはずの兄が立ちはだかっていた。


『にーさんなせ゛ここに』

『おまえをたへ゛ちゃうぞ』

『やめてくた゛さい』

『たへ゛ちゃうそ゛ く゛へへ』

『正直に言ってキモいですいえ死んでください兄様』

『   』


 ガッシボカ。メディエはスッキリ(笑) とりあえず区切りがついて問題解決した。


 だが肝心のヴォーパル『イェニスター』がなぜか目を覚まさない。曰く切っ掛けがないんじゃねぇのとのこと。それまでゆったり待ちますかと仕事をこなす日々。


 その後なんやかんやあって魔獣信仰者スナッチがついに動き出す。奴らは霧の森を利用してスタンピードを意図的に発生させ、注意をそらすことで大願たる魔獣ジャバウォックの復活を企んでいたのだ。なんてわるいやつだ!


 だがこちとらジョーカー3枚入りの不良品ディフェクティブなトランプチーム、ただではすまない。


 復活したジャバウォックはまずステラが丸太でブン殴った。

 あとシオンがヴォーパル・イフェイオンと仮契約して押し殴った。

 最後にメディエが覚醒してヴォーパルの騎士として引きずり倒して縛り殴った。


 ジャバウォックは泣いていい。


めでぃえ「れり~す(CC)」


 するとぬるっと魔獣は魔法陣に消えていった。わあめでてぇ!


 年明け戦後、復興もめどが立ち、やることやったので2人は旅立つことにした。

 次なる目標は水の都『ルサルカ』、にゃんこ飛び交う素敵な街である。おわり。

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