十二話目
薬草が机上に置いてあったせいで、朝、部屋に匂いが充満していた。
服にまで染み付いてしまった匂いに、食堂行ったら怒られっかなーと思いつつも空腹には抗えず。
いざ食堂に行ってみれば、ああ、お前もか。というような曖昧な笑みがあちこちからよこされた。
どうも俺と同じことをしている奴は結構な人数いるらしい。
それもそうだ、冒険者のもとにはギルドから連絡が行っているだろうから。
ただでさえおかしいなあと思っているところにギルドからの連絡。
大変なことが起きている、というのはみんな理解できているはずだし、腕に覚えのある奴は解決しようとしているはず。
それも注目を浴びたいというわけではなく、解決しないと自分の身が危ないから、という後ろ向きな理由がほとんど。
そういう動機で動く奴らだ。対策は万全にしていくに決まっている。俺も同じだ。
黒パンとオムレツを水で流し込んで、そこそこ仲のいい奴らと喋っていた。
なにせ薬草はまだ加工できる状態にない。
摘んでから一日は立たないと加工できないのだ。
それから足りない薬草を交換し合った。
しかしやはり、薬草だけでは心もとない。この間採ってきた鉱石たちで以上無効のアクセサリでも作ってもらうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます