十二話目

薬草が机上に置いてあったせいで、朝、部屋に匂いが充満していた。

服にまで染み付いてしまった匂いに、食堂行ったら怒られっかなーと思いつつも空腹には抗えず。

いざ食堂に行ってみれば、ああ、お前もか。というような曖昧な笑みがあちこちからよこされた。

どうも俺と同じことをしている奴は結構な人数いるらしい。

それもそうだ、冒険者のもとにはギルドから連絡が行っているだろうから。

ただでさえおかしいなあと思っているところにギルドからの連絡。

大変なことが起きている、というのはみんな理解できているはずだし、腕に覚えのある奴は解決しようとしているはず。

それも注目を浴びたいというわけではなく、解決しないと自分の身が危ないから、という後ろ向きな理由がほとんど。

そういう動機で動く奴らだ。対策は万全にしていくに決まっている。俺も同じだ。


黒パンとオムレツを水で流し込んで、そこそこ仲のいい奴らと喋っていた。

なにせ薬草はまだ加工できる状態にない。

摘んでから一日は立たないと加工できないのだ。

それから足りない薬草を交換し合った。

しかしやはり、薬草だけでは心もとない。この間採ってきた鉱石たちで以上無効のアクセサリでも作ってもらうか。

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