九日目

たまたま教会の前を通りかかると神父に話しかけられた。

ここの神父は若く、さらにいえば不良である。

街の人々が許しを乞いに来ても雑な対応しかしないし、タバコまで吸う。

だが有事の際には有能で、俺が駆け出しの頃にあった流行病の騒動を解決したのも彼である。所謂トラブルに強いタイプ。

で、そういう功績があるから街の人々はこの不良神父を信頼している訳だ。

そんな神父が割と真剣な表情で話してきたのだ。ただ事ではないとすぐにわかった。


内容はこうだ。

最近運ばれてくる冒険者が多い。それも一様に重症で、だ。死者も幾人か出ているらしい。墓が増えている気はしていたが、まさかそんな状態だったとは。

民間人に変化がないことを見るに、街の外で何かが起こっていることは確かだった。

だから用心しろということと、余裕があるなら調査してくれということだった。


ああ、クソ。色々考えてたらこんな時間になっちまった。

とりあえず寝て、起きたら聞き込みにでも行くことにしよう。

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