第806話 『ピアノ・ソナタト長調作品37』 チャイコフスキー

 4楽章形式の力作。


 力作なんですが、いまいち、人気がない。


 第1楽章は、行進曲風の主題で始まりますが、途中で、たいへん、センチメンタルな音楽になります。


 ひとつ、ひとつ、のフレーズに、強いアクセントが置かれるので、管弦楽を付けたら、協奏曲みたいな感じになるかも。


 ほんとは、もっと、楽しい雰囲気になっても良いのだけれど、やましんは、ちょっと、疲れる。


 ま、そこが、よいのです。


 あえて言えば、こうした雰囲気は、ブラームス先生のソナタにもあるような。


 ピアノ音楽としては、音が全体的に縦に揃って行くのが、ブラームス先生に似てるんではないかしら。


 ど・しろとの、勝手な感想ですから。


 第2楽章は、たいへん、メランコリック。


 強いリズムを刻まない、第1楽章とは対照的な音楽で、なかなか、じゅわじゅわ。


 いやあ、ここは、たいへん、良いです。


 つかみどころは、なかなか、なくて、するり、と、指の間をすり抜けてゆきます。


 ああ、はかない。


 ここまでで、25分くらいかかります。


 第3楽章は、スケルツォ。


 ここは、わりに、短くまとめてます。


 いかにも、スケルツォだ❗


 という感じですが、始まりからしばらく行くと、中間部で、なんだか、沈んでくるのが、やはり、チャイコフスキー先生らしい。


 いつの間にか、第4楽章になります。


 アレグロ・ヴィヴァーチェの終曲。


 全体のなかで、ここが、一番好き。


 ピアノ音楽としても、面白いし、じゅわじゅわ感もあり。

   

 全体的には、ロシア国民楽派からは批判されそうな、中央ヨーロッパ寄りの音楽で、シューマン先生、ブラームス先生に近い感じ。


 そこが、チャイコフスキー先生なんですから。


 1878年の作品です。   


 聞いていても、そんな感じはあるのですが、チャイコフスキー先生、かなり、苦労して書いたようです。    


 ヴァイオリン協奏曲と同時期の作品。


 現在は、遥かに名高いヴァイオリン協奏曲は、当初、めちゃくちゃに言われてしまったけど、ピアノソナタは、最初から大好評だったらしいです。


 世の中、分かりにくいものです。




 ・・・・・・・・・うつ  😱  うつ・・・・・・・・


 


 

 


 


 

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