第645話 『交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」』 グレツキ
グレツキさまは、ポーランドの現代作曲家さま(1933~2010)。
旧ソヴィエト圏域では、わりと現代音楽が盛んだったらしい、ポーランドの、前衛的作曲家さまでした。
とはいえ、やましんごときには、さっぱりと認識がなかったわけです。
それが、なぜか、ある日(ちょっと誇張かな)、突然、この作品のCDが、ちまたに沸き上がって来たのである。
きっかけとなったのは、イギリスで放送されたから。
たしかに、放送という存在は、あっという間に、無名だったなにかを、超有名にしてしまうわけです。
買い占めのきっかけになったりもしますが。
しかし、この作品に関しては、じっさいに、私ごときが、どうこう言うものではありません。
3つの楽章からなりますが、15世紀の古い詩、第2次大戦中にナチスの秘密警察に捕らえられたらしい女性が独房の壁に書いた詩、戦争で子供を失った年老いた母が歌った詩………
どれも、戦争がらみの悲惨な内容を持つもののようです。
そうしたものは、日本も含め、世界中にたくさんあるはずです。
古くから、今に到るまで、途切れることもなく、産み出され続けてきていて、それは、勝ったほうも、負けたほうも、たぶん、同様でありましょう。
なので、これは、聞いていただいて、それぞれに考えるべきものです。
なお、ここでの、グレツキ先生の書法は、無調音楽からは離れて、なんとなく、アルヴォ・ペルト先生あたりに近寄った感じの音楽で、また、ミニマル・ミュージックに近い雰囲気を持っていたりもするようです。
聴きにくい種類の音楽ではありません。
むしろ、非常に不思議な深い美しい響きには、驚かされます。
1976年の作品。
初演は、1977年4月。
そう、昔ではありません。
とはいえ、一時のブームからは時間がたち、戦争とは違った脅威にさらされているいまなら、静かに聴ける気もいたします。
たんに、『うつうつ』ではないですが、なにか、癒しを求める音楽であります。
ただ、全体的に、静かな音楽でありまして、最近は聴力が落ちた私には、最初のあたりとか、さっぱり、聴こえなかったりも、いたします。
むかしは、聴こえたように思います。
悲しいことです。
・・・・・・・・うつ 👼 👼 👼 うつ・・・・・・・・・・・・・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます