第621話 『ふたつのソネット』 カプレ

 アンドレ・カプレ先生(1878~1925)は、ドビュッシー先生と仲良しだったようですが、なんの因果か、いまいち、知られていません、ような。たぶん。


 この、ふたつのおうたは、あっという間に過ぎ去ってゆくのですが、なんとはなく、人生そのものなのかも、と、いうと、反論されるかもしれませんが、お聞きでないかたは、一度、いかが?


 大変に、美しく、はかない。


 最初のおうたは、ジョアシャン・デュ・ベレーさま(1522~1560)の詞に基づくもの。


 自分の生まれた、貧しいおうちの煙突から上がる煙りを懐かしんでいるような、おうた。


 ふたつめは、ロンサールさま(1524~1585)の、『カッサンドルへのソネット』(1552)から取られたおうた。


 恋について、讃えあげているようなおうた。(これは、岩波文庫に訳本あります。)


 やましんには、逆立ちしたって、けして、出てこないセリフですな。


 なんだか、身体中、かゆくなりそな、あますぎる香りが充満。


 この、16世紀の詞に、近代を生きたカプレ先生が、たいへん、禁欲的で、シンプルな音楽を与えております。


 それが、ぴったりなかんじがいたしますが、なんせ、フランス語と言いますものは、さっぱり分からない。


 CDは、フランス・ハルモニア・ムンディから出ていました。(HMA1951417)


 不思議な音楽が詰まった、おいしい、CD。 


 ま、お好みにあうかどうかは、別にして。




・・・・・・・うつ  🐌 🐌 🐌 うつ・・・・・・・・・・・・・・・・・・



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る