第339話 『子守歌』 アルマス・ヤ―ネフェルト

 シベリウス先生の奥様、アイノさまは、フィンランドでも最も有名な貴族であるヤ―ネフェルト家のお嬢様でした。


 そのお父上は、陸軍大将になった方。


 その3人のお兄様たちは、それぞれ、作家、画家、作曲家の道を進みます。


 アルマス・ヤーネフェルトさま(1869~1958)は、三男で、ヘルシンキ大学の法学部を辞め、音楽の道を進むためにやってきた音楽院で、シベ先生と出会うことになります。(シベ先生自身が、ヘルシンキ大学はほったらかしにして音楽院に来てしまったのですが・・・)


 その出会いは、必然的に、妹さんのアイノさまとシベ先生との出会いにつながったというわけです。


 もっとも、シベ先生ご自身は、お医者様の息子さんですが、貴族という訳でもなく、そのあたりは、いくらか引け目を感じていたらしいです。


 シベ先生は、終生自分が貴族の出でなかったことを、たいへん悔しく思っていたらしいというのは、なかなか、意味深です。


 そのあたりは、またとして、あ、それにしても、1890年当時のアイノさまのお写真を見ますと、まあ、これが、大変な美少女様です。(シベ先生の先生ヴェゲリウスさまは、フィンランドで最も美しい乙女と言ったとか・・・)


 いや・・・まあ、それも、おいといて、このご家族は、フィンランド語で普段生活していたということでありますが、当時、フィンランドの上流階層は、スウェーデン語を用いるのが一般的だったと言われます。


 シベ先生も、フィンランド語は、学校で習ったようです。


 あ・・・本題ですが、この曲は、アルマス・ヤーネフェルト先生の作品中でも、とりわけ、現在まで親しまれている曲でありまして、日本でも、あちこちでちらほらと聞くことがあります。


 もともとは、ヴァイオリンとピアノの為の作品であり、1904年に書かれたものであるのだそうであります。


 現在は、管弦楽の曲として、また、さまざまな楽器のために編曲されて、親しまれております。


 じゅわじゅわな、日本人好みの良い音楽です。




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参考図書


 『シベリウス アイノラ荘の音楽大使』 ひのまどか さま著 リブリオ出版


 『シベリウス』 神部 智 さま著  音楽之友社


 

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