第182話 『交響曲第3番』 スクリャービン

 『神聖な詩』と言われる作品であります。


 1902年から1904年に掛けて作曲された作品。


 スクリャービン先生(1872~1915)は、モスクワ生まれの作曲家さん。


 お父様は外交官で仕事ひと筋の方で、あまありご家庭を大切にしなかった(その暇がなかった・・・)らしく、お母様は出産後すぐに亡くなり、叔母さまのもとで育てられたのだそうで、あまりそういう意味では家庭に恵まれなかったとも言えそうです。


 早くから楽才を現していたそうです。


 ま、天才ですな。


 モスクワ音楽院での作曲の先生は、アレンスキー先生。


 マフマニノフ先生が同級だったとか。


 この生徒さんには、手を焼いたらしいとも。


 1897年にご結婚したのに、その後、愛人を作り、家庭は放棄。


 ここらあたりに、お父様の心理的な影響があったかどうかとかいうお話は、いまのところ読みませんが、どうなんでしょう?


 20世紀になる直前からニーチェ先生に入れ込み、『神秘主義』という世界に向かい、ヨーロッパなどを遍歴し、ついに新しい世界を切り開こうとしていたけれど、虫刺されが原因で敗血症になり1915年他界。


 ロシア出身の作曲家さんの中でも、どしろとのやましんにして思うに、他に類を見ない孤高の存在で、独創的天才。(アルメニアのグルジエフさま(1866~1949)は、ちょと別枠です。CDもあるけど、よくわからないから。)


 一時期学校の先生もしていたけれど、意外にも生徒さんからの評判は良かったらしいです。


 つまり、ただの奇人変人と言い切ってはしまえないところもあり。


 この『交響曲第3番』は、じっつに魅力的な傑作音楽であります。


 この次に書かれた『法悦の詩』は、おそらく、すくりゃ先生の作品中で、もっとも名高い音楽かと思いますが、少し当たりが難しい感じもあるので、『第3番』で練習してからの方がよいかも。(これはまあ、人によりますでしょう。)


 不思議なロマンとミステリアスな雰囲気に満たされた、世にもまれな作品です。


 いくらか、お酒の飲みすぎか、お薬の飲み過ぎのような雰囲気もある、ぎりぎり危ない音楽と言えば、それもまあ、そうかと思います。


 永遠に続きそうな音楽の流れの中で、旋律感がきらっときらめくところがあるけれど、それは断片的なのが、かえって印象的。


 やましんのうっとおしさを、『癒す』と言うよりは、逆に膨張させる側面があるので、『癒し効果』については、十分注意してかかる必要があります。


 逆効果になる可能性あり。


 癒し効果という意味では『ピアノ協奏曲』のほうが良いかもしれません。




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