第100話 『楽に寄す』 シューベルト

 『🎁㊗️100話🎂』ですから、もうこの曲しかないと、思ったのです。


 シューベルト先生の数多くの歌曲の中でも、最高傑作のひとつとされる、気高いお歌です。


 詩を書いたのは、お友達であった、フランツ・フォン・ショーバーさま。


 二長調、2分の2拍子。


 頭から、上のレまで跳躍したあと、下のレの音まで、ぐっと下がるので、テナーにはちょっと歌いにくいのです。


 しかし、声を荒げることもなく、淡々と、音楽に対する、愛と喜びと感謝を歌ってゆきます。


 上手な方が歌うのを聞くと、その深~い想いが、じゅわじゅわと、やってきます。


 でも、別に上手じゃなくても、ひとりで歌うには、問題なし。


 これは、きわめて個人的な思いのお歌であり、集団で『ばんざ~~~~~~い!』と、どなたかをほめたたえる種類のお歌ではありません。


 それにもかかわらず、というと、いささか変ではありますが、1817年にシューベ先生が作曲して以来、200年にわたって、普遍的な感動を世界の多くの人に与え続けてきているのです。


 すっごいお歌です。


 若い方は、いささか『地味~~!』と感じるかもしれませんが、生きていれば必ず年は取り、そうすると、こうした地味な世界のよさが、じゅわ~~と、分かってくることも、あるやもしれません。


 大体、このお歌を書いたご本人が、まだ20歳だったんですから。


 そんなに、技巧を要するお歌でもありません。

 

 ぜひ、いつか、気が向いたら、歌ってみて下さいね。   

   

 なお、やましんが若いころは『楽に寄す』で通っておりましたが、現在は『音楽に寄せて』と言われることが通例のようであります。

 

 


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