第81話 『マリンコニア』 シベリウス

 チェロ独奏とピアノのための音楽。作品番号『20』。


 文字通りの意味での『うつうつ』音楽の総帥。


 絵画で言えば、ムンクさんの『叫び』から『叫び』を抜いたような音楽。


 と、いう感じで、大方は『これは、いったい何か?』と、長年なんとなく眉をひそめられてきた、やましんみたいな音楽なのです。


 しかし、やましんと違って、書いた方がなにしろシベ先生なので、あまり大っぴらに批判も出来ないか・・・という感じだったのかもしれません。


 1900年に、娘さんのクリスティさんが、幼くして亡くなります。


 この曲は、その年の作品。


 3時間で書いたと言われます。


 大きく関連性があると考えた方が、自然なように思います。


 しかし、今回二種類の演奏で聴き直してみて、思ったことは、


『出だしの部分は、いかにも新しい世代の音楽に擬態して、精神的な混乱を暗示しているようですが、その後の音楽は、あきらかに前半期のシベ先生の音楽で、むしろ情熱的でもあり、けっして錯乱はしていない。ピアノもチェロも高度な演奏技術を要求されていて、演奏会でもしっかりと演奏者が聴衆にアピールできるように計算されているのです。そこで、演奏する方には、それなりの力量が求められているのであります。絶望から立ち直ろうとする気力を得ようと、無限の空間に求めている、そんな、感じもあります。やぱり、『うつうつ』ではあるけれど。』


 という、前向きな感想でした。


 ときに(いつもこうなる・・)、今日はやましんがいっそう『うつうつ』で、文字を打ち出す元気があまりありません。


 なので、これでおしまいです。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る