ユーキとVRホラー

「アイ君、そのゲームソフト何?」


「ユーキ君がトゥマールでゲットしたゲーム機の中にVRっていうのがあっただろう? その新作ソフトだよ。是非ユーキ君にプレイしてもらおうと思ってね」


「うわぁ、やった〜! どんなゲームなの……って、これホラーじゃないか〜! 僕が怖いのダメな事知ってるよね⁉︎」


「そうよアイ君! ユーキをイジメたらあたしが許さない……て何よ? こんな隅に連れて来て」


「まあ待ちたまえパティ君。ユーキ君が怖い類の物が苦手なのは無論私も知っている。だからだ! あのVRはプレイ中はゴーグルを付けているから周りが見えない。そこでユーキ君の側に居れば、恐怖から無意識に抱き付いてもらえるという寸法だ!」


「乗った!」


「ねえ、みんなで何話してたの?」


「大丈夫よユーキ。聞いた所確かにホラーだけど、実際にはこの専用コントローラーを使って敵を撃つシューティングゲームみたいなもんで、凄く面白いらしいわよ?」


「そう……なの? じ、じゃあ怖いけどちょっとやってみようかな? ……キャアアアア‼︎ いやあああああ‼︎」


「大丈夫よユーキ‼︎ あたし達がちゃんと側に居るから‼︎」


「無駄だパティ君! ヘッドホンのせいでユーキ君には私達の声は聴こえていなグフォ‼︎」


「こっち来ないでええ‼︎ あっち行けええ‼︎」


「お、落ち着いてユーキ‼︎ 無意識に本物の魔法が出ちゃってグヘェ‼︎」



「ふうっ! やっと一面終わったよ〜。怖過ぎて僕もう無理……てどうしたのみんな⁉︎ 部屋もボロボロじゃないか⁉︎ 一体何があったの⁉︎」


「済まないユーキ君。私が悪かった……」






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