ひめてん昔話(鶴の恩返し、アイバーン編)

「すまない! すまない!」


「ん⁉︎ 誰か外で謝ってる? いや、吹雪で遭難しちゃったのかな? 今開けるから待ってね〜!」


「夜分遅くに申し訳ない! 私はアイバーンという者……あいや! な、何故全力で戸を閉めようとしているのかね⁉︎ ユーキ君!」


「名前ゆ〜な! こんな猛吹雪の夜に、女子の家に海パン一枚の男が訪ねて来たら、誰だって閉めるだろー‼︎」


「わ、私は怪しい者ではない‼︎」


「どこからどう見ても怪しいわー‼︎」


「私は昼間、君に助けてもらった鶴だ!」


「え⁉︎ 鶴って、あの罠にかかってた?」


「そうだ! 助けてもらったお礼に、ぜひ君に恩返しがしたくてね! 中に入れて……い、いやだから、何故閉めようとするのかね⁉︎」


「嘘つくなら、もうちょっとマシな嘘つけ〜‼︎」


「う、嘘ではない! このお尻に付いた傷跡を見れば……」


「ヒイッ! 脱ぐなあああ‼︎」


「ぐはあっ‼︎」


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