純情ラッパー・パラダイス・ナイト

オズ研究所 《《#横須賀ストーリー紅白

第1話:お尻の下の楽園

 人生は何が起こるか解らない。


 そんな使い古された陳腐チンプなセリフが今のボクには似合ってる。


 ここは《パラダイス》と言う名のシェアハウス……😆🎶✨


 住人は美女ばっか男にとってまさに楽園のはずだった……


 だが、こうして暮らしてみるまでは……


 シェアハウス《パラダイス》。


 室内は地響きのするようなラップ・ミュージックが掛かっていた。


 エロ漫画家・如月キララの部屋で、ボクはダンサーの藤峰子とデッサンのモデルをやらされていた。


 ダンサーは今にも見えそうな際どい水着でボクの顔の上にまたがっていた。


 まるで、顔面騎💟位のような格好だ。


「うっぐ、ちょ、待って……」

 タップするが許されるワケもなく、


「っるさいな~……」

 すぐさまキララ様の罵声が飛んだ。

「動くなって言ってンだろ~が~ー❗

 殺すぞ❗!」


 キララ様は、アングルを決めるため鉛筆で照準を定めていた。


 何でボクがこんな羽目に合わなきゃなんないのか。


「そ・ンな~……、ちょ、顔が痛いって……」


「黙ってお姉さんの言う通りにしなさい」

 ダンサーの峰子さんが、

「ホラ~、痛くしないから~😌✨✨💕💕」

 と優しく微笑んだ。


 だが、その言葉とは裏腹に下半身を顔面に押し付けてくる。


 グリグリと……


 ああ、も~、恥ずかしいのと苦しいの、それと……


「痛いって……、

 も~、助けてくれ~ーー❗!」

 いっくら泣いても許してもらえそうにない。



 そう、ひと月前までボクは至って真面目な受験生だった。

 ひたすら勉強……


 高校2年の夏休みから好きなアイドルのライブも我慢、彼女も作らず一心不乱に勉強してきた。


 文字通り、机にかじりついて勉強の毎日。


 そして、やっと一週間前、念願の大学に受かり、意気揚々。


 合コンで彼女をゲット。

まさに人生を謳歌しようと思った矢先、事件に出くわした。


 彼女の名前は愛梨。

 金髪、エロ・フェロモン全開の美少女系だ。


 どこがボクを気にいったのか、彼女の別荘へ一緒にGo!


 愛梨と、別荘に入ると耳をつんざくほどのラップ・ミュージックが流れていた。


 そして、すぐに、キスをしボクのズボンを脱がせ始めた。


「ちょ、待った。あの、愛梨さん……」

 まだ、ボク…、準備が……


「大丈夫、痛くしないから……」

 おいおい、それじゃ逆だろ~……

 男のボクのセリフだぜ。


「い、や…、ボクは……」

 緊張で顔は引きつる。

 冷や汗はダラダラ。


「ホラ~、緊張しないで手を退けて~💓😍💓」


 あ、ヤバい…。そんな……

 ボクのジャスティスは崩壊寸前。


 マックス・ボルテ~ージ!

となった瞬間、隣の部屋から大爆笑が聞こえた。


 え、何……?

 どうしたの……


 チャラ男の飯野が爆笑して隣の部屋から姿を現した。


「アッハハ、マジ、童貞ボーイはバカだぜ~」

 手にはビデオカメラ。


 腕にはタトゥが彫られていた。

 どうやら隠れて撮影していたらしい。


「う…、何だ……?」

 ボクは咄嗟に下半身を隠した。


「ホラ~、だっから、こんな童貞チェリーボーイ、楽勝だって言ったジャン」

 愛梨も笑いながら手を出した。


 飯野は苦笑いし金を払い、

「ったく、お前がこんなに簡単に落ちるなんてね~。やっぱ童貞ボーイは、ヤることしか

考えてね~ンだろうな~」


 あ、ボクは……

 何も言い返せない。


 この後、飯野と愛梨はオープンカーに乗って、どこかへ行くようだ。


 ラップの音楽だけがやけに耳に残った。


「あ、ちょ……」

 ボク一人、置いてきぼり。


 走っていく車内から愛梨の声が聞こえてきた。


「悪い、やっぱ無理だわ~。彼、地味だけどイケメンだし~、いいと思ったンだけどね~……」


「ハッハハ、行くぞ~。じゃあな。

 童貞チェリーボーイ…😆🎶✨」

 タトゥの彫られた腕を振っていた。


「な、童貞じゃないって~ーー」


「マジ、チョ~つまんないし~。ノリ合わね~ジャン。じゃぁね~童貞チェリーボーイく~ーーーん❗」

 愛梨は手を振ってバイバイ。


 ボクは呆然とその車を見送った。

































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