第40話 戦隊ヒーローだって修行くらいする3
「さぁ出てきなさいジャスティスファイブ!今日こそ決着をつけてあげる!」
いつもの採石場で1人の声が響き渡る。
声の主は悪の組織アクギャーク、四天王の1人レディ・ダークであった。
その格好は相変わらず胸元が大きく開いた黒いボンテージに黒いマスク、さらに今は右手に禍々しいムチを持っている。
何も知らない人が見ると「あっ、結構ハードなお店の娘かな?」と思われてしまうくらいアレな服装である。
「待たせたな!レディ・ダーク!」
「!・・・来たね・・・」
声のする方角を見るとそこには五人の人影が見える。
そう・・・彼らこそが
「最近行きつけのSM風俗店のスタンプカードが溜まった!ジャスティスレッド!」
「最近は街中での露出プレイがお気に入り!ジャスティスブルー!」
「炎上させたアカウントは100を超える!ジャスティスグリーン!」
「मैं महिलाओं की गंध के बारे में उत्साहित हूं।!न्याय का पीला!」
「最近のマイブームは触手怪人と寝ること!ジャスティスピンク!」
「俺たち!五人そろって!」
「「「「「ジャスティスファイブ!」」」」」
正義の使者、ジャスティスファイブなのだ!
「ククク・・・今日があなたたちの命日となるのよ!」
「今日の俺たちは一味違うぞ!」
「ああ・・・!あの血の滲むような修行で・・・・俺たちは強くなった・・・・」
「はい!今こそ修行の成果を見せるとき!」
「आप अच्छा गंध करते हैं।!」
「あたしたちの新しい力にびっくりしないでよね☆」
にらみ合う両者、緊迫する空気
運命の一戦が今始まる!
「ん?ちょっと待って?」
今から激闘が始まるその瞬間、レディ・ダークがタンマをかけた。
マスクがつけられていない口元を見るに、何か困惑した様子だ。
「一体なんだ!これから戦うって時に!」
レッドが語気を強めて言う。
「いや・・・アタシの気のせいかもしれないんだけど・・・なんか1人おかしくない?」
「こんな時に何を言ってるんだ!」
「フン・・・こんな時にふざけるとはずいぶんと余裕だな」
「ぼ、僕だって怒るときは怒りますよ!」
「मैं उत्साहित हूँ!」
「そんな余裕ぶって負けても知らないよ☆」
「いやイエロー日本語喋ってないって!!」
先ほどまでのシリアスな空気はどこへやら、ダークはすっかりツッコミに徹してしまった。
「ああなんだそんなことか」
「そんなことで済ますな!宿敵の1人が突然変な言葉喋ってたらそりゃ驚くわ!」
「変な言葉とは失礼ね!イエローはヒンディー語を喋っているだけよ!」
「もうヒンディー語でもアメリカ語でもなんでもいい!なんでそうなった!?気になって戦いに集中できない!」
ペースを完全に乱されたダークに対して、ジャスティスファイブの面々は平然としている。
「あれは一ヶ月前・・・更に強くなる覚悟をした俺たちはある人物の助言を受け、各々の長所を伸ばすことにした・・・」
「い、イエローは自分の長所であるカレーの修行をするためにインドへ行ってこうなりました・・・」
「え?こいつ正義の味方じゃなくてカレー屋なの?」
「ふふふ・・・でもその甲斐あってイエローも成長したのよ」
「・・・なんだと?」
ピンクの言葉にダークは反応した。
修行の目的はショボいが、インドと言えば神秘の国、強くなるきっかけのようなもは多く存在する。
こんなのでも正義の味方、何かがスイッチとなって成長する可能性も捨てきれない。
(もしコイツがそういう類の力に目覚めたら厄介ね・・・今のうちに情報を集めましょう・・・)
自分の目的を達するため、自分が何をすべきかを瞬時に考える。
一瞬ツッコミのスイッチが入ったとはいえ悪の幹部の1人、レディ・ダークは戦いとなればすぐに自分の意識を切り替えることができる。
「・・・へぇ・・・一体どう成長したのかしら?」
ダークは警戒されないようにするため、あくまで表情を崩さず自然に聞く。
そんなダークの思惑にも気づかずレッドは口を開く。
「聞いて驚くなよ!イエローはな・・・インドの修行によって・・・
ココ○チの5辛を食べれるようになったんだ!」
「修行の成果ショボいな!!」
自分の宿敵が「辛いものが食べれるようになった!」と自慢してきたらどのような気持ちになるのだろうか。
少なくとも喜びはしないだろう。
そんな複雑な感情に浸っていたダークに対しイエローは
「मैं तुम्हारा पसीना पीना चाहता हूँ」
「何言ってるかわからなのよ!」
「あ、今のは『あなたの汗を飲ませてください』って言ってます」
「すごく関係ないこと言ってた!」
良く分からないことを言っていた。
(まずい・・・こいつらのペースに巻き込まれている・・・このままじゃ巨大化したときの二の舞、それだけは避けなきゃ)
過去のトラウマを思い出したのか、再びダークはシリアスモードに入る。
「もういいわ・・・あんたたちの悪ふざけに付き合うのもこれまで!」
そう言い放つとダークは右手のムチを構える。
「っ!マズイ!アレはサディスティックウィップだ!」
ブルーが全員に警告を放つ・・・が
「もう遅い!」
遅かった。
ダークはその岩をも砕くムチを思いっきり振り切っていた。
ムチの先端がジャスティスファイブを襲う!
その瞬間だった。
「みんなは俺が守る!」
「レッド!」
前もって攻撃を察知していたレッドが他の4人の前に両手を広げて立ちふさがる!
「はあああああああああああああああああああ!」
レッドが雄叫びを発したの同時にムチが体に当たる。
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!
辺りに響き渡る轟音、舞い上がる土煙。
「フン・・・あっけなかったわね」
ダークは決着を確信した、あの攻撃を受けて立っていられるわけがない。
土煙が消えれば倒れた五人が見えるはずだ。
ビュウ、と風が吹き土煙が吹き飛ばされる。
「なっ・・・!?」
ダークの予想は裏切られるものとなった。
なぜなら、レッドがしっかりと2本足で立っていたからだ。
「ばっ、バカな!?この前の戦いでは一撃で膝をつき、なぜかずっと股間を押さえていたはずだ!」
先ほどよりもダークは困惑した。
そう、以前の戦いではレッドはこの攻撃に手も足も出なかったのだ。(精子は出た)
だが目の前の男はあの攻撃を受けて立っている。
「言っただろ・・・今日の俺たちは一味違うってな!」
「一体どうやって・・・」
「単純な答えさ・・・厳しい修行を乗り越えて鍛え上げたこの体で受けきっただけだ!こんな攻撃で音を上げてたまるか!」
「くっ・・・この攻撃を耐えるだと・・・?どんな修行をしてきたのだと言うんだ!」
「・・・俺は仲間を守れる肉体を手に入れるため、一ヶ月間であらゆる攻撃を受け続けた・・・
SM嬢からのご褒美という攻撃をな!!!!」
「お前それ一ヶ月間SMプレイし続けただけじゃねぇかああああああああああああ!」
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