■第16話 “さよなら、パストラール 後編”

第16話-07 重荷



 11年前のあの日――ノルン大聖堂の庭園にし掛かる曇り空は、半端なヴィッシュの内心そのままの黒灰色に淀んでいた。たまらなくなって視線を落とす。肩が酷く痛む。つい今しがた臨時政府の皇帝名代に剣の腹で叩かれたばかりの肩が。生まれて初めて袖を通した騎士装束は腕も持ち上げられないほど堅苦しく、そのくせ丈が長すぎる。

「ヘイヘイヘイヘイなあ大将! その服似合わねえな、フフフ」

 と無神経に後ろから飛びつき首に腕を回してくるのは、言わずと知れたナダムだ。みぞおちに肘鉄を食らわせてやったが、彼は平然としている。ヴィッシュの刺すような視線もなんのそのだ。

「誰のせいだと思ってんだよ」

「そらもう、偉大な先輩であると同時に頼もしい兄貴分でもある、このナダム様のおかげだよ。叙爵おめでとう、討竜騎士ヴィッシュどの!」

 晴れがましい称賛にも関わらず、ヴィッシュは表情を曇らせた。逃げるように大股で歩き出し、人気ひとけのない静謐せいひつの庭園を進んでいく。ナダムはその後をちょろちょろ追いかけながら、右の眉をひょいと持ち上げる。

「あ? どうしたよ、ヴィッシュ?」

「……重荷だよ、ナダム」

「たかが騎士位がかあ?」

「たかがとはなんだ!」

 ヴィッシュはいきなり足を止め、振り返ってナダムの胸に指を突きつけた。腹が立った。わめかずにはいられなかった。今、世界は滅亡に瀕している。魔王によってシュヴェーア帝国は一夜にして滅亡。皇帝も行方知れず。魔王軍の侵攻はいよいよ勢いを増し、今や遠く内海の西の果て、フィナイデル王国やエズバーゲンにまで魔手を伸ばしているという。

 こんな状況だからこそ、ヴィッシュのような平民上がりが騎士叙勲などという栄誉を得ることもできた。そしてこんな状況だからこそ、ヴィッシュもまた、故郷のために命を懸けるという並々ならない覚悟をもって騎士位を受けたのだ。

 それなのにこのナダムという男は!

「お前はいつもそうだ! ひとの成果を褒めたかと思えば、次の瞬間には同じものを軽々と腐す。お前にはこだわりがないんだろ。地位とか、社会とか、そういうものへの。だからそんなことが言えるんだ! 俺がどんな気持ちで……!」

「分かってる」

 突きつけられた拳を、ナダムが握る。

「分かってるさ。お前がどれほど真剣に考えてるかは。だから推薦したんだ」

 分かっているのだろう。こう言われて、なお声を荒げられるヴィッシュでないことも。

「……ばか」

「ばかとはなんだ。押し倒すぞこのやろう」

「お前が言うと洒落にならない!」

「そんな嫌うなよぉ。またキスする?」

「するか!! 寄るな!! 抱きつくなッ!! こないだのは……気の迷いだ!!」

「ハハハ! ほらな。今までと何が違う?」

 ぽん、と背中を叩いてナダムがヴィッシュを追い抜いていく。

 そうだ。本当は分かっていた。

 地位など飾りだ。

 やるべきことは、為すべきことは、今ここに立つ自分自身の身体と心は、立場や称号なんかで変わりはしない。

 いつだってそうだった。ナダムはヴィッシュの前に先回りして。あれもこれも分かっていて。腹が立つくらい人の心の中を見抜いていて。そのうえで、いつだってヴィッシュを認めてくれた。

「さあ行こうぜ、。ちょいと世界を救いによ!」

 曇り空は、いつのまにか、抜けるような青。

 ヴィッシュは力強く頷き、燦燦さんさんと降り注ぐ陽光の下に、最初の一歩を踏み出したのだ。



 それなのに。



 そのはず――だったのに。



「みんなお前がやったのか……」

 ヴィッシュは震え、ヴィッシュは問う。周囲には不死竜ドレッドノートの群れ。背後には脂汗を浮かべ身構える仲間たち。そして彼の正面には、ヴルムの頭上に黒々と立ち、青白い月光を背負い、生ぬるい夜風に貫頭衣ローブの裾をはためかせる男。

 死術士ネクロマンサーミュート――そんなたわけた名を名乗りながら、ナダムがそこに立ちはだかっている。

 ヴィッシュの口から出た問いは、今や悲鳴にすり替わっていた。そしてミュートはその悲鳴に応えた。ひとつひとつ丁寧に。宥め、慰めるかのように。

「あの手紙をくれたのは……」

「おれだ」

「この街を滅ぼしたのは……」

「おれだ」

「あのひとを! シェリーを! 殺したのは!?」

「もちろんおれだ」

「なぜだ!?」

「お前がそれを問うのか!? おれを殺した、おれたちを殺した、なにもかも見棄てて自分だけ生き延びた、そのお前が!?」

 ヴィッシュがすくみあがる。

 手が震え、刃糸鞭ワームウッドの柄が鎧を小刻みに打ち鳴らす。眼がうるむ。脚が半歩後ずさる。息が急速に乱れていき、心臓は破裂せんばかりに高鳴りはじめ、もつれる舌がやっとのことで言い訳を紡ぐ。

「言ってくれたじゃないか……

 “け”って……

 “お前ならできる”って……

 背中を押してくれたじゃないか……!」

「そう言うしかなかったおれの気持ちがお前に分かるか? 諦めるしかなかったおれの気持ちが? お前の背中を見送っているときの。お前が行ってしまったあとの! “ひょっとしたら助けに来てくれるかも”なんてありえない望みばかりにすがりついて!! 身動きもできないまま自分の肉が腐っていくのを待ち続けていたおれの気持ちが!! お前に分かるってのかよ!? だからおれはお前を――ずっとお前だけを――!」

 その瞬間。

 何の前触れもなく、突如赤い閃光が跳んだ。

 緋女。目にも止まらぬ速度で不死竜ドレッドノートに肉迫し、その前足を蹴って稲妻の如く駆け上る。標的はひとつ。ヴルムの頭上で驚愕を顔面に貼り付けている死術士ネクロマンサーミュート。

 ――無粋! 話の途中でしょうが!

 ――待つ義理なんざェ!!

 緋女は判断したのだ。これ以上の対話はヴィッシュを追い詰めるだけだと。そして確信したのだ。ヴィッシュにミュートを斬ることはできないと。

 ――斬れねえものを斬るのが剣士あたしの仕事だ!

 漆黒の殺意を刃に込めて、緋女の斬撃がミュートを襲う。ミュートは《骨剣》を不死竜ドレッドノートの頭蓋骨から出現させ、緋女の剣を受け止める。だが甘い。今の緋女は気迫が違う。冴えわたる太刀が《骨剣》を真っ二つに両断し、そのままミュート本体へ喰いかかっていく。

 しかし敵もさるもの。ミュートは冷静に背後へ跳んだ。敢えてヴルムの頭上から転落して斬撃を避けたのだ。さらに落下中に《風の翼》を発動して飛び上がり、そのまま緋女から距離を取る。いかに腕が良かろうと剣士は剣士。足場のない空中で距離を取ってしまえば何の危険もない。

 はずだった、が。

 ――逃がさねえ!

 緋女は迷わず、ヴルムの頭の上から前方へと飛び出した。足場のない空間に向かってだ。ミュートが眉をひそめる。このままでは落下していくだけだ。一体何がしたいのか……?

 と、いぶかったのも束の間。緋女の行動を完璧に予測していたカジュの術が発動した。

「《石の壁》。」

 術の発動地点は、。そこからミュートの浮遊する場所までまっすぐに《石の壁》が伸び、即席の橋を造り出す。

「うッ!?」

 ミュートの背筋を駆け抜ける悪寒。緋女は《石の壁》の橋を矢のように突き進み、瞬きひとつする間さえ与えずミュートへ肉迫。ミュートは慌てて後退する、が、遅い。閃光の如き剣が右腕をかすめ、一瞬の後、爆発にさえ似た衝撃とともにミュートの腕が千切れ飛ぶ。

「うおおッ!?」

 恥も外聞もかなぐり捨ててミュートは逃げた。上空に飛び上がり、緋女の間合いの外へ出る。ようやく一息ついて見下ろせば、《石の壁》の上に立った緋女が野獣の眼光でミュートを狙っている。ずっと後方にはこれまた術式ストックを作りながら状況を注視するカジュ。

 そのふたりの中間には、戦うどころか一歩も動けぬままの――ヴィッシュ。

 やり場のない怒りに、ミュートの脊椎が震えだす。寄せ集めた骨と腐肉の身体がかすれた軋み声をあげはじめる。

「おい……ふざっけんなよ……

 いい仲間たちに囲まれて……

 こんなにみんなから愛されて……!

 ヘタレてんじゃねェぞ甘ったれがァーッ!!」

 咆哮と共にミュートの《配信》が不死竜ドレッドノートたちに飛んだ。途端、カジュやヴィッシュを取り囲んでいた10匹のヴルムが赤眼を燃やして一斉に動き出す。

 狙いはひとり――ヴィッシュ!

「《魔法の縄》。」

 この動きは予想済み。即座にカジュの術が飛び、不死竜ドレッドノート2頭の脚と脚とを結び合わせた。並大抵の術で不死竜ドレッドノートを止めることはできないが、この方法ならば――ヴルム自身の怪力が災いし、文字通り足を引っ張り合って、2頭同時に転倒する。

 また別の方向には、

「《凍れるとき》。」

 時間停止の術。最前列にいた1頭をこれで道の中央に固定する。時間停止した物体には何物も干渉できない。傷つけることも動かすことも不可能。ゆえに後ろから来ていた2頭は、時間の止まった1頭に進路を塞がれ立ち往生。

 ――あと5頭。

 さらに別の方向を振り返ったカジュの目に、情けなく立ち尽くすヴィッシュが映る。正面から来る不死竜ドレッドノートに対して、なんの動きも取れずただ死を待つばかり。無論そんな獲物を見逃すほど甘い敵ではない。ヴルムの剛腕が容赦なくヴィッシュの頭上に振り下ろされる。

「《光の盾》。」

 ヴィッシュの頭上に出現した円形の光が、不死竜ドレッドノートの爪を弾き返す。が、それに驚いてヴィッシュは尻もちをついてしまう。唖然とするカジュ。。ヴィッシュは完全に戦意喪失している。カジュはすがりつくような思いで助けを呼んだ。

「緋女ちゃんっ。」

「オラァ!!」

 矢のように引き返してきた緋女が、ヴィッシュを狙っていた不死竜ドレッドノートの頭蓋を打つ。斬り落とした角を空中で掴みながら着地。楔を打ち込む例の戦法で、またたく間にヴルムの後ろ脚を粉砕する。

 ひとまずヴィッシュは無事。だが彼はこの期に及んでまだ立ち直れずにいる。空中のミュートを見上げたまま、なすすべもなく震え続けている。緋女が歯噛みする。カジュが表情を凍り付かせる。ふたりは彼を挟んで背中合わせに陣取り、得物を構えて庇い立った。

 が。

「健気だねェ、お嬢様がた! だがまだまだあるんだぜーっ!」

 空中の安全圏で、死術士ネクロマンサーミュートが憤怒に任せて絶叫している。彼の言葉通り、新たに5頭の不死竜ドレッドノートが建物を蹴散らしながら顔を出す。

 ――嘘だろ!?

 緋女の顔に焦りの色が浮かび、カジュの目には一筋暗い影が差した。

 カジュの思考が冷徹に走る。緋女とカジュのふたりだけなら、切り抜けて逃げることは可能だろう。だがヴィッシュをどうする? 彼がこの戦闘中に精神的ショックから抜け出す見込みは……ない。彼を庇いながらこの数の不死竜ドレッドノートを倒すのはなおさら不可能。いっそ《瞬間移動》でどこかへ逃がすか? いや、儀式なしの長距離《瞬間移動》では確実にカジュが魔力枯渇で行動不能に陥る。といって短距離の移動では無意味。この街全体が敵の領域なのだ。

 ――やばい。やばいぞ。本格的にやばい。

 しかも、ミュートは充分に思考する時間を与えてはくれなかった。

「情けねえなァ!! 足手まといになっちまってなァ!! ええ……なんとか言ってみろよ、ヴィッシュよぉーッ!!」

 不死竜ドレッドノートが押し寄せてくる。

 緋女が跳んだ。カジュが術を解き放った。顎に痛打。膝に《鉄槌》。大上段から全力の打ち下ろしで脊椎を叩き割り、足元からの《石の壁》で2頭まとめて転倒させる。だが敵の数が多すぎる。前進を止めきれない。緋女の脇をすり抜けた不死竜ドレッドノートの鉤爪が、容赦なく横薙ぎにヴィッシュを襲う。

 ――諦める……しかないかっ。

 カジュが唇を固く結んだ。これ以上ヴィッシュを庇いきれない。今ここで彼を守るために《光の盾》ストックを使えば、次の瞬間カジュ自身が敵に引き裂かれている。見棄てるしかない。そう決断したカジュの小さな胸が、ささくれ立ち錆び付いた刃で抉り込まれたかに痛む。

 だが。

 ――諦める……しかないか。

 同じ確信を抱いた緋女の顔は、不思議なほどに穏やかだった。

 緋女が走る。風の如く、ヴィッシュのそばへ。彼の襟首を掴んで投げ飛ばし、その直後、竜の爪が緋女の身体に食い込んだ。

 轟音が駆け抜ける。ヴィッシュの身代わりとなった緋女の身体が、紙屑のように弾け飛ぶ。遅れて鮮血が噴き出し、月光の下に弧を描き、カジュの頬に数滴、赤く点を描いた。

「……緋女ちゃんっ。」

 カジュの悲鳴が悲痛に響く。ストックしていた術全てを周囲の敵へ手あたり次第にばらまきながら、カジュは緋女に駆け寄っていく。骸骨スケルトンの残骸の上に倒れ、呻きながら手をついて起き上がろうとする緋女。その側にひざまずき、カジュが全速で術式を構築していく。

「緋女ちゃんっ。緋女ちゃんっ。緋女ちゃんっ……。」

 その光景を、手近な屋根の上に腰を下ろし、白骨の脚をぶらつかせながら、愉しげに眺め見ている者がいる。

 ミュート。

「ようやくすばしっこいのが止まってくれたな」

 彼の指が、とっておきの魔法陣を描き出す。

「この瞬間を待ってたぜ!」

 直後、カジュの足元に漆黒の闇が出現し、円形に渦を巻きだした。

 当然カジュはすぐに気づく。だが今は緋女の治療の途中。対応して術式を造る余裕がない。その隙にカジュの脚は闇の中に飲み込まれた。徐々に身体が沈み込んでいく。

 ――《転送門ポータル》っ。神出鬼没のタネはこれかっ。

 《転送門ポータル》とはその名の通り、遠く離れた2地点を繋ぐ魔法の門のことである。あらかじめ準備してあれば大陸をまたいだ長距離移動が可能で、技量次第では異世界にさえ転送できるという。しかし安定した門を開く技術は古代魔導帝国の崩壊とともに失われ、現代では小さな門ひとつにも命の危険が伴う。まともな術士なら手を出さない、いわゆる禁呪の一種である。

 腰まで《転送門ポータル》にはまり込んだところで、ようやく緋女の治療が完了した。カジュは考え付く限りのあらゆる対抗術式を編み、《転送門ポータル》の解除を狙う。だが、いずれも効果なし。ほとんど知られていない特殊な術だけに、解除する方法も知られていないし、一から開発するには時間がなさすぎる。

 そのとき傷の癒えた緋女が事態に気付いた。咄嗟にカジュの腕を掴み、《転送門ポータル》から彼女を引き上げようとする。が、《転送門ポータル》の拘束力は異常な強さだった。踏みしめた地面の方が削られ、緋女までが《転送門ポータル》に引きずり寄せられる。両側から引っ張られたカジュが小さく悲鳴を上げた。

 無理だ。引き戻すよりカジュの腕が千切れるほうが先だ。

 緋女が目を細める。

 助けられない。それなら、むしろ――

 ヴィッシュが我に返ったのは、ようやくこの時だった。

「緋女……? 緋女!」

 立ち上がり、転びかけながら緋女たちの元へ走り、緋女の腕を掴んで引こうとする。

 だが、緋女は彼の手を払いのけた。

 思わぬ拒絶にたじろぐヴィッシュ。緋女は彼に脂汗まみれの顔を向け、苦しく、しかし不敵に、笑いを浮かべて見せる。

「――後は任すぜ、相棒」

 そして緋女は、自ら《転送門ポータル》へ飛び込んだ。

 ヴィッシュが驚愕して彼女の名を呼ぶ。緋女は取り合わない。彼女の心は既に決まっていたのだ。

 カジュを助け出すのは無理。ならむしろ、ふたり揃って捕まるほうがいい。行先がどこかは分からない。だが、カジュひとりでは切り抜けられない局面でも、ふたりでならどうにかできるかもしれない。

 緋女はその可能性に賭けた。

 ふたりが黒い《転送門ポータル》に吸い込まれていく。拒絶された手を虚空に泳がせ、ヴィッシュは茫然と、見守ることしかできない。仲間が消えていく。奪われていく。なのに――!

 やがて緋女とカジュは完全に《転送門ポータル》の向こうに消えた。

 無慈悲に頭上で輝き続ける青白い月と。

 孤独を浮き彫りにする静寂だけが、後に残される。

 ヴィッシュは崩れ落ち、膝をついた。

「これでまた丸裸、ってわけだ」

 ミュートがゆらりと屋根の上から降りて来る。そのしもべ不死竜ドレッドノートたちが、ふたりを取り囲み逃げ場を塞ぐ。闇の中に明々と輝く赤眼が、まるで死そのもののようにヴィッシュを責め苛む。

「スタート地点に戻された気分はどうだ? なあ、

 ヴィッシュは呻いた。

 死にかけの狼が、闇溜まりの奥で必死に痛みを堪えるかのように。



(つづく)

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