小田原学園2年1組交友録

今村広樹

第1話

 本好きのマイちゃんは最近、ハマっている本があるらしい。

 ふだん読んでる小説や漫画ではなく、なにかの入門書らしい。

 ボクが教室に入ると隠すので、内容はわからない、が、そういう事をされると、見たくなってしまうのが、人じゃないですかね?




 とにかく、今ちょうど、マイちゃんが、机に顔をうずめるように寝ているので、彼女の手元にある本を、題名だけでも見ようと、ボクは顔を近づけた。

 ふむふむ、

『あなたも作ってみよう、みんなのパッチワーク入門』

か。




 と、その時、ボクはマイちゃんのいる方から、異様な気配を感じて、のけ反った。

ビュン!

と、ボクのもといた所に、するどいストレートが繰り出されていた。



「ああ、ビックリした、君か。

ドロボウかと思ったじゃないか」

と、彼女は言った

 それに対して

「いやいや、ビックリしたのはボクだよ!

危ないなあ、もう」

と、ボクはスカートの裾を払いながら言うのだった

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