第2話 帰り道
にこやかに娘を幼稚園へ送り届けたものの、帰り道、下り坂をゆくスピードがこころには速すぎて、深くどこかへ沈んでいきそうだった。
まさか、彼に裏切られる日が来るとは…。
…。
「まさか」、本当にそう言うべきなのだろうか。
「まさか」でなくて、「やはり」…ではないのか。それとも、「ついに」…、というべきなのではないか。
彼に裏切られる、こんな日が来てしまった。
いや、彼なら裏切り兼ねない。
裏切りながらも彼は、こんなにもにこやかに、何事もないかのように、家族に振る舞えるものなんだ。
いや、家族だからこそ、そう振る舞えるのか。
恋愛中なら、
もしくは私が、彼にとって少しでも彼女という存在なら、こんなにこやかにできるはずはないだろう。
もう彼女でもなく、家族だから、ああやって別物ののように、合理的に考えて接することもできるのかもしれない。
頭の中で思いは混乱し、考えることも重く絡み付いてくる。
そもそも、私は娘が産まれてからというもの、彼に愛されてきたんだろうか…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます