プノンペンの安宿ノート

学生時代に友人に誘われて東南アジアに貧乏旅行に行った。

安宿の前ではバイクタクシーの兄ちゃんが日本人旅行者に「ガンジャ、シャゲキ、オンナ」と声を掛けていた。

こういうポン引きみたいな所から買うと、グルになってる警察官に捕まって法外な賄賂を請求されるというのが当時の定説なのでスルーして、市場に野菜や果物と一緒に売ってる大麻を探しに行った。旅の目的はそれしかなかった。

カンボジアでも一応違法ではあるものの実際黙認状態であったらしいが、この時はちょうど10日くらい前に一斉に摘発があったらしく、市場から大麻は綺麗になくなっていた。


大麻に限らず、国内では値が張る脱法ドラッグ扱いのものを安価でできる為にやりに来る連中も結構いて、安宿のノートにはそこに泊まった旅行者が書いたある薬物の接種のやり方や分量親切に書いてあった。

が、その下に「このやり方でこの量だと致死量です。いい加減な事書くな!」とでっかく書いてあった。

おおらかな時代だったと思う。

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