182日目

「お待たせしました」

「おっす」

「さて、体調はどうですか?」

「はい、あまり変わらないです。せいぜい、睡眠が多少良くなったくらいで。四十八時間に一回ですが、質が良くなったかと」

「……本当に、睡眠が改善されされました?」

「えっ、はい」

「本当に、この薬で?」

「え、えっと……」

「おかしいな、効くはずがないんだけど……。ま、まあ、効いたならいいです。幻聴などは?」

「い、いえ、多分今の言葉が幻聴です……」

「わかりました。あまり改善していないようなので、お薬、これを少し増やしてみましょう。三週間で様子をみましょうか」

「……はい」


 というわけで、実録これが診察の全てです。

 嘘のようですが、これがDoctor Tの真骨頂でもあります。

 愉快な主治医で困りますな。

 その主治医が効かないと信じている薬を飲んでいる私ですが、確かに体調に大した変化はありません。

 まあ、無駄に入院させられるよりはいいと思っています。

 やれやれ……。

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