第20話 姉様は雨女

 姉は雨女である。


 姉の新婚旅行出発の日、雨だった。旅行中は台風まで来ており閉まっているお店が多かったそうだ。

 この時の私は雨女という事は知っていたが凄い偶然だなと思っていた。存在を甘く見ていたのだ。


 妊娠中の姉に見せられた台風予想のスマホの画面。台風はありえない急カーブを描いていた。その日は出産予定日だったが生まれる様子はなかった。

 台風が来た日姉は出産した。さすが雨女と思っていたが、退院した日も雨が降っていた。

 本当に雨女なんだなぁとしみじみ思った出来事だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る