第16話 引き留めないで
会社からの帰り道、姉は車を運転していた。
詳しい状況は省くが姉の車が走っていた車に少しカスったそうだ。相手がそのまま走り去るかと思ったら、少し前でその車は停車し一人の男性が運転席から降りてきた。
相手が男性ということもあり『怖いなぁ』と姉はビクビクしていた。それでも相手が待ってくれるはずもなくどんどん近付いてくる。
運転席の窓まで来たのでドアを開けると男性が一言。
「ちょっと、お茶でもしませんか?」
まさかのナンパに姉は言葉を失った。が、すぐに我に返り……
「いえ、結構です」
と言うとすぐさま走り去った。
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