夜の街を裸足で
僕は死にたくなったんだ。
とにかく、死にたくなった。
できたら、鳥のように空に向かって飛んで死にたい。
夜、僕はそっと、部屋の窓から外に出た。
もちろん、死ぬためにね。
そして、自転車に乗ったんだ。
夜の街には、何も無かった。
国道の街灯が、スポットライトみたいに
僕とその先を照らしてる。
僕は、裸足で自転車のペダルを思いっきり踏んだ。
狂ったみたいにに必死にこいだ。
自転車は、新幹線みたいに速くて気持ちがいい。
夜の街には、誰もいなくて僕は自由だ。
自由だ。自由だ。自由だ。
僕は、自転車をこいで、こいで、どこまでも行く。
空へ。
もしかしたら今、飛べているのかもしれない。
僕は、死ぬつもりだったんだ。
でも、空が、明るくなりはじめて
僕の生きている時間は終わったんだ。
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