僕だって叫べるかい


 「僕だって叫べるかい」


 終わらせた温もりを

 踏みしめながら

 ぶどうの丘を

 展望台へと登っていく


 夜景って綺麗だよねと

 君がつぶやく

 空虚な言葉を

 風よりも透きとおった

 瞬きがすりぬけて

 その影は記憶の灯りと

 思い知らされる

 

 遠い影を遠い国から

 愛せたら

 

 僕だって叫べるかい?






*ぶどうの丘…山梨県甲州市にある実在の場所。この詩は旅先で懐かしい人を思い出したときのことを詠ったもの。

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