第45話 牛飼いとやまんば

☆牛飼いとやまんばの昔話

 牛に括りつけた塩鯖を売っていた牛飼いが、

 山でやまんばに食われそうになって、

 知恵と勇気でやまんばを撃退する昔話がありましてね。

 この話の滑稽なところは、

 知らずに やまんばの 家に逃げ込んだ牛飼いが、

 天井近くの梁から おびえつつ やまんばをのぞき見すると、

 やまんばが 餅を焼きつつ こっくりこっくり。

 牛飼い、やまんばが居眠りしているあいだに、 萱の先で 餅を 釣り上げて、

 もぐもぐ たべちゃう。

 そして、起きたやまんばが、「だれが食った!」 と怒ると、

 小さな声で、「火の神、火の神」

 とささやくのです。

 やまんば、「火の神じゃあ、しょうがない」

 あっさり あきらめちゃう (笑)

 このあたり、日本の昔話 独特の のどかさがあって

 わたしは 大好きですね。


☆これを短篇にアレンジ

 これを短篇にアレンジすれば、

 食い意地の張った人くい鬼が

 襲われておびえる村人の 「この魔法の実を育てれば 中から 鶏が どんどん出てくる」

 というのを 真に受けて、(普通は真に受けないが、そこはギャグでごまかす 笑)

 実を蒔いたら、鶏じゃなくて 栗が生えてきて

 イガで 怪我をしまくり、という話が書けそうです (笑)

 ゲーム風昔話の短篇になっちゃったな(笑)


☆昔話はアレンジすれば、いくらでも話はつくれそう

 昔話って、アレンジ次第でいくらでも話はつくれそうですが、

 どれだけ発想を飛ばすか、というところは 作家の腕の見せ所。

 台所とかまどの神である荒神を、思いっきり原型をひねって

 トトロ風な描写もあったりする 宮部みゆきの 『荒神』 は

 パクリがいがあるかもね。

 もっとも、2行ごとにドラマのある彼女とわたしじゃ、

 レベルがぜんぜん違うから、悔しいけどさ!

 負けるもんか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る