第1話 #14「下校イベント!」

 ---それから空腹との戦いを経てようやく午後の授業が終わりSHRも終わりさっさと帰ろうと帰宅の準備をして教室を後にする。初日なだけあって他の人達は親睦を深めようと遊びに誘ったりしていた。


 実はいうと俺もさっき誘われた所だった。しかし、俺は丁重に断りそのまま帰った。丸岡からも誘いがあったがそれも断った。今の俺はどうしてもその気になれなかった。


 有紗の事がどうしても気になってしまっていた。学校が終わって1番最初に教室を出ていった。昼休みの時の話を聞いていてやっぱりどうしても気になってしまって急いで彼女の後を追おうとしたのだ。


 校門を出て有紗の姿を探してみたが有紗の姿は何処にも見当たらなかった。ひょっとしたらまだ学校内にいるんじゃないかとふと思い一度学校に戻ってみる。それから学校内を探し回ってみた。


 ---それから1時間半後、結局見つける事ができなかった。すれ違いの事も想定して同じ場所を2,3回みたがやっぱり見つけられなかった。


 どうやらもうとっくに帰ってしまったみたいだ。もう流石に追いつけないだろうと思い、諦めて帰る事にした。


 帰る途中も有紗の事でいっぱいいっぱいだった。今物凄く誤解を受けそうな言い方だったがとにかく俺は彼女の心配をしていた。


 無事帰れただろうか? あいつらに見つかってはいないだろうか? トラブルに巻き込まれていないだろうか?


 そんな事をずっと考えていながら帰っているとあの曲がり角にたどり着いた。そういえば有紗と初めて会った時の事を思い出す。


 俺が弁当(結局食べられなかった)を取りに学校とは反対の方向に向かって行った時、有紗は向かい側から来た。という事は、俺ん家と同じ方向なんじゃないか? あの時の状況から考えてその可能性は非常に高い。


 曲がり角を曲がり俺ん家に向かいながらひょっとしたらと思い有紗がいないか確認しながら進んで行った。


 しばらく歩くと薄暗い中道にふと目を向けた。何故かは自分でも分からない。ただ、何故か嫌な予感がしてきた。


 この道実は、学校から結構近道になっている。でも、住宅街の路地裏になっていて昼間でも不気味なくらい薄暗くちょっと気味が悪い。だからここを通る人はほとんどいない。しかし噂では危ない人達がそこら辺でたむろしてるとかしてないとか。


 俺もほとんど通った事が無いから意を決して中道に入って行った。


 ハッキリ言って入ってみると薄暗いレベルではなかった。前は見えているが足元はあまり見えていないぐらいのレベルである。


 少し歩くと何か大きなものにつまずいてしまった。


 「痛っ!」


 もう今日だけで何回痛い目に遭っているんだ、俺。心身ともに。


 しかし、こんな所に何を置いてるんだ。そう思い、足元を見るとそこに信じられないものがあった。


 そこには、彼女、有紗が倒れていた。

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