シイ 水深3㎝
ガラス玉は海に落ちた。
波が立てた白い泡が一瞬球体を呑みこみ、すぐに離す。その先はひどく青い色の海で、入ったかと思えば水底に触れることもかなわず、水晶に引っかかって止まる。案外に近い空がゆらゆらと上から光を落とした。
急に波が引くように流れができると、人魚がガラス玉に口づけた。いや、その唇はわずかにガラス玉には届かない。泡だけが流れに乗って人魚へと流れて行く。
ラムネの海はもうすぐ干上がる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます