8W やった!クリーンヒット!!
今だ! 支持した作戦通りに、俺はハートに声を張り上げた。
ハートは一息して呼吸を整える。焼きリンゴも食べて小腹を満たしたのか、集中力が上がり先ほどの魔法の時よりも、オーラが一回りも二回りも違うように見える。やはり、ギルドでもエリートと自称する魔法使いの風格はあるみたいだ。
「自然に
泥棒は逃げている時とは違い、水路に落ちて中で思うように動けていない。魔法の呪文を唱えるハートの真正面から、前よりも大きな球状の雷が発生する。ハートの魔法は短い杖先をアイツに向けず、水路に向けて一気に振りかざす。
「大いなる雷よ!
その瞬間! 水路が吹き飛びそうな、バリバリ!!! と言う轟音が、あたりに響く! ハートの魔法の雷は、水路に広大な電気が流れ込むかのように全面に溶け込んだ。その現象と同時に、水路に落ちた泥棒のアイツから悲鳴が上がり、動きが止まった。
「やったわ! 生まれて初めて魔法が当たった!!」
ん? 今なんと言った?? ハートさん……。俺は聞き間違えたのか、ハートの喜ぶ姿を立ち尽くしながら見ていた……。
ここで、作戦の内容をお
泥棒に勝利した俺とハートは、この後の事後処理と、ギルドとの事務手続きについて話した。そしてギルドに向かおうと足を運んだ瞬間、上空から大きな声が響いた。
「そこの者! とても素晴らしい働きであった!!」
俺たちは大きな声が響いた上空の方を見上げる。そこには王城の監視塔から双眼鏡をのぞき込む、煌びやかな姿の王様と、側近が、俺とハートに話しかけている。ハートは異変を感じたのか、すぐさま、声のほうに頭を下げる。俺は、その時に話しかける人物が誰か分からずに、つい、ドヤ顔で仁王立ちしてしまった。
それを、ハートが気に入らなかったのか、魔法の短い杖で俺の足をなぎ払う。痛みで強制的に、頭を下げる姿勢に俺はなった。
「王がいい物を見せてもらったとおしゃっています! 褒美を遣わすと!」
なんと俺とハートは、ギルドに戻る前に、直系の王様に会いに行くことになってしまった。声が聞こえた王城まで歩く。ハートは舞い上がっているのか、喜び、足取りが軽い。王城の橋を渡ると、門が豪快な響きをたてながら、俺たちの目の前で開きはじめた。
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