第2話

「そうなんだ」


僕は読んでいるペーパーバックから顔を上げずに呟いた。


ぽとり。


僕の言葉はなんだかベタベタしていて、この薄い紙の上にのっかったら乾いて固まってしまうんじゃないかと思った。


僕の、僕の想いの塊。

なんだか黒くて汚いモノが脳裏に浮かんだ。




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