熾天使は世界を見る

私は熾天使

慈悲深き熾天使

大昔

神様から評価され

今の地位に上った

でも

天使時代から私に関わる

愚かな天使たちは

今でも私を利用する

魔界からの抜け道の探索

死人の案内

書類の整理

中世界の見守り

現世界の見守り

未来世界の見守り

ほぼすべて押し付ける

堕天する価値もない

一介の天使に

腹立てることはない

でも

私の我慢は

限界に近づく


私は降り立つ

この地に降り立つ

表と裏が交錯する

現世界に

長くはいられないけど

地上界を感じたい

ここは

臭い

人間の欲望が渦巻き

同じ人を飲み込む

こんな世界を

天界は

悪魔から守っている

私は分からなくなる

この現世界に価値はあるのだろうか

こんな低俗な生き物を

なぜ守らなければならないのか

私は分からなくなり


私は飛び立つ

守る価値のある世界があるのか

この目で確かめるために


私は熾天使

慈悲深き熾天使

でもこれからは

無慈悲の熾天使と

なるかもしれない



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