母者と味覚障害の私の話


 麻酔の後遺症で味覚障害になった私。

 母者に味覚障害を伝えると


「よし、これから一緒においしい物食べよう」

「私味覚障害よ」

「だから誘ってる」


 私の母者は悪魔です。


 別の日、元青年海外協力隊だった友人が味覚障害治ったら好きな物作ってやる(友人はメシウマ)という内容を母者に伝えたら


「今すぐ治せ、気合で治せ、そして羊羹をリクエストして私に献上しろ。親孝行だ!(母者も友人の料理にハマり、特に羊羹が好物)」

「気合で治せるものじゃないですよ」

「じゃあ、治ったという設定で羊羹をリクエストするのだ、ハリー!ハリー!ハリー!」


 やっぱり母者は鬼だ。


「羊羹、母者の前で俺だけ食べたらどうする?」

「面白い奴だな、貴様は一番最初に殺してやろう(感情も抑揚もない声で)」


 とりあえず、食べ物の恨みは洒落にならないと実感した。

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