続リアルわらしべ長者


 外回り中、元同僚のリアルわらしべ長者さんと再会。

 近くの茶店でお茶(わらしべさんは珈琲、おいらはチョコパフェ)しながらお互い近状報告。


 この作品で君のエピソードが人気だと伝えると新しいエピソードを教えてもらった。


 イタリア方面に商談に向かったわらしべさんは現地の農家のおじさんから


「なあ、日本人だろ? お前日本人だよなぁ!!」


 と言った感じで声をかけられ、あまりの剣幕に頷いたら


「困ってることないか? 困ってるよな? 困っていると言え!!」


 と迫られた。

 理由を聞くと農家のおじさんのお父さんが第二次世界大戦中に日本人に助けられ、遺言として


「日本人に会ったら、私の代わりに恩を返してくれ」


 と遺言で伝えられ、遺言を護りたいと思いつつ今日まで過ごし、日本人っぽいわらしべさんを見つけて声をかけたという。


 特に困っていることはなかったが、わらしべさんは農家のおじさんから家で使う野菜(無農薬、形がいびつとかで売れない野菜)をいくつか貰い、その野菜で料理を作って(わらしべさんはメシウマ)ランチセッション(昼食食べながら商談)したら、取引先が料理を気に入り(提供した料理の一つがクライアントのおふくろの味に近かったとか)商談即決成立(約二億前後の利益の商談)


 わらしべさんはクライアントに農家の人のことを話したら、クライアントは農家の人を気に入ってその農家さんと商売を開始した。


 農家の人は


「恩返しのつもりが恩増えたあああああ! 親父の遺言はたせねえってか、俺のぶんも返さないといけないやーん!!」


と喜び、むせび泣いていたそうです。


 わらしべさんは幸運の星か何か持っていると思った。


 あと最近子供が生まれたらしく


「かわええやろ、こことか俺そっくりやろ」


 とうざかったです。

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