とある嫁姑戦争に介入


 今回のエピソードはとあるホテルのロビーで人待ちしていた時に起きました。

 待ち人が電車のトラブルで遅れることになってロビーでボヘーっとしているとおばさんの怒鳴り声がロビーに響く。


 何事かと声のした方向を見るとスーツと着物の家族がいて、年配の女性(50~60代)が中年女性(40代)を怒鳴っていた。


 年配女性の声が大きくて怒鳴り声の内容を聞くと、どうやら一家の息子さんが婚約し、双方の家族の顔合わせらしい。

 中年女性の着物が黒く、年配女性はそれを喪服だと思い込んだらしく、顔合わせにも服着てくるとは何事だと怒鳴っていた。

 中年女性が説明しようとするが聞く耳持たず。ちょっと不愉快だったので携帯で電話しているふりして


「すいません、電話中なんですけど、貴方の声で電話の声聞こえないし、周囲に貴方の怒鳴り声響いて迷惑ですよ」


 と注意して一拍置いて


「あとこちらの方の着物は黒留袖と言って喪服ではありませんし、貴方が着てる色留袖より格式の高い着物で全然失礼になってませんよ」


 年配の女性はまだグチグチ言ってたので


「それに貴方のレンタルでしょう(見分け方法がある)、こちらの方のは江戸紬の年代物ですから自前か家に伝わるものじゃないですか?」


 そんな感じでフォローしながら、年配女性の着物を見たら大変なことを発見。


「あと、貴方襟が左前の死人合わせになってますよ? そちらのほうが先方にかなり失礼ですよ」


 と言ったら顔を真赤にして足早に帰ってしまいました。


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