未来を見る

「アダム……もう、だめにゃ」


「だめ、ですね……」


「アダムがいないと、わがはいもだめにゃ」


「だめ、ですね……」


「どうすればよかったのにゃ。どうすれば……」


「イヌ、くん」


「なんにゃ?」


「きみと暮らした、穏やかな日々を。名付けるなら、それは、まるで……」


「まるで、なんにゃ」


「すみません。思い浮かびません……」


「こんなときに笑わせるなにゃ」


「これ、とっておいた最後の水です……イヌくん、ぜひ」


「いやにゃ。止まるときは、アダムと一緒だにゃ」


「それは、いけません……。最後まで、希望は、す、て……」


「アダム、アダムゥゥゥゥゥ」

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