ねこがたり Ver.2.0

ダジャレ？

「ハッ。わがはいは誰にゃ、ここはどこにゃ」

「あなたはイヌです、ネコですが。ここは地球です」

「そうか、思い出したにゃ」

「なら安心です」

「そうではにゃくて。わがはいがネコなのにイヌである理由」

「さて、何でしょう」

「わがはいの推理によると……これはダジャレにゃ！」

「ほう」

「ジャパニーズ、ユーモアにゃっ」

「どういうことでしょう」

「イヌはイヌ、イヌはいぬ……イヌはここにいぬということにゃ！」

「はあ」

「だからネコなのにゃ」

「いえ、よくわかりません」

「何でにゃ！ㅤ　わがはいが知っているならアダムがダジャレを知らないはずないにゃろう」

「もちろん知っています」

「ふみゃ？」

「その程度のダジャレはとっくに気づいていました」

「ふみゃっ」

「ですが、イヌはいぬ、だからネコ。それに何の意味があるのでしょう。それにイヌじゃなければいいのなら、ネコである必要もない」

「そ、それは……」

「それは？」

「ネコが一番可愛いからにゃ！」

ㅤ　ゴロローン！（ここで雷が鳴る）

「博士の弟子はきっと、イヌよりネコが好きだったから、わがはいをネコにしたのにゃ」

「それは言ってはなりません。『イヌとネコのどちらが好き？』という不毛な戦争＝ヒトの歴史とも言われています。どちらも好きと答えたものが迫害された歴史があるのです！」

　ㅤシーン！（ここで雷は鳴らない）

「そんな、うそにゃっ」

「うそです、すみません。しかし、ほんとでないとも、言えません」

「にゃんだか、話がそれてるにゃ」

「すみません」

「でも、アダムの言う通り、よくわからないにゃ。イヴとイヌを間違えた時点でもおかしいにゃに」

「イヌをネコにしたからって何なのか、ですね」

「もう、疲れちゃったにゃ」

「そうですね」

「眠らせてもらうにゃ」

「そうしてください」