Chapter

冷たさ募り

知性が乖離する朝


まぶしい群れは

早送りで彼方へ


白い月を抱き寄せながら

きみに電話して

確かめたいことがある


熱とは無縁の

カケラを集めて

卑しくも含ませた希望たち


無防備な窓から

無遠慮な願いを放つ


きみは鈍感だから

大胆なアクション


僕は臆病だから

繊細なミッション


やたら急かすには

密やかな絶望を投げ入れる


暗い海へ

スローモーションで堕ちて逝け


明けてゆくきみに

何をするわけでもなく

空っぽの場面をリピート


手持ち無沙汰で

次の機会をうかがう


きみの声を忘れないように 


いつか観た

映画のワンシーンのような

世界を夢みて

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る